不良の法律~Judge Town~
一人の男に、10人ぐらいの人間が取り囲んでケンカをしていた。

明らかに多勢に無勢。しかも相手は全員明らかなヤクザだ…。

だが囲まれている男は、余裕の表情を浮かべながら華麗にパンチを交わし、確実に一人一人倒していった…。

何とも楽しそうに。

そしてものの五分もしない内に、全員倒してしまった…。

この時、俺の身体が震えたんだ…。

あのネオンの光に反射した金髪が…。

格闘技の技術ではなく、自然体のケンカの強さが…。

そして、ぶちのめした相手を見下ろすあの猟奇的な目が、俺には輝いて見えた…。

だが、それと同時に俺という存在がとても小さく感じたんだ…。

そして恥ずかしい。

ガキのくせに全てを悟ったみたいな考えをし、死んでもいいとまで考えていた自分が恥ずかしかった…。

そして俺は…その場から逃げだし、急いで家に帰ったんだ。

夜遅くに家に帰ってきたので、親に説教をされたが、話なんて何も頭に入って来なかった。

何故なら俺は、町で見たケンカのせいで、頭の中が覚醒したままだったからだ…。
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