不良の法律~Judge Town~
「やっぱりハヤトは何も解ってないよ……離れた方が私の為?…ふざけないでよ!!」

マリコが俺に近づき、上着を引っ張りながら、俺を見上げ、大声で叫んだ…。

この顔は知ってる…。俺が小学生の時に道で倒れていた所を見つけた時の、悲痛な顔だ。

マリコは、俺が黙っているの良い事に、自分の思いを吐き出すように、言葉を被せてきた。

「いきなり…いきなり大好きな人が、何も言わないで私の前から居なくなった、私の気持ちがハヤトに解るの!?生きてるか死んでるかも解らない…あの公園になら来ると思って、一日中待ってたこともあった。…私、一年間ずっと、ずっと探してたんだよ…」

もう我慢出来なかったんだろう。マリコは、俺の上着を放すと、顔を手で覆い、声を張り上げて泣いてしまった…。

一年間も、俺の事を探していた?

俺が好きな事やっている間、にマリコは俺の事をずっと探していた…。

よく見たら、昔に比べて少し痩せた様な気がする。腕もこんなに細くなかったし、顔も少し昔とは印象が変わっている様な気がする…。

普段から少食だったマリコだ。余りご飯を喰ってなかったのかもな…。

俺が原因で…。

俺は、気がつくと、無意識にマリコの頭に手をやっていた…。
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