不良の法律~Judge Town~
そして、自分の行動に凄い罪悪感を感じた。それは、俺の身勝手な行動で、一人の親友を不幸にしてしまったったと言う事だ。

「…悪かったよ…ごめん」

初めてかもな。ちゃんと人に謝ったのは…。

俺が、マリコの頭を撫でながら、そう呟くと、マリコがいきなり俺の胸に飛び込んで来た。凄く力を込めているのか、何とも言えない息苦しさを感じるほどに。

今まで、感じた事のない、重圧だ…。

「ハヤト…良かった。もう会えないと思ってたんだよ…大好きだよ」

このマリコの行動に、俺は正直対応に困っていた。

俺はマリコの頭の上に手を置いたまま、固まっている状態だ。

簡単に言えば、実に情けない状態なのだ…。

おいタケシ…何だそのニヤけ面は。ヒサジ…お前の微笑みは凶器だな。普段とギャップがアリ過ぎる。

俺は、余計な事を考える様にし、このマリコに抱きつかれている状態を、あまり考えない様にしていた。そして、ひと通り、雑念に試案を巡らした後、行動を開始する。

「解ったから離れてくれ。その…何だ…まぁあれだからさ」

どれだよ…。

「…ハヤトの返事聞くまで離れない」

だがマリコは、そんな俺の気持ちを見通しているのか、離れてくれはしなかった。

「ハヤトくーん!!頑張ってぇ~!」

「お前は黙ってろタケシ!」

「ここで逃げたら男じゃねぇな…なぁハヤトよ」

くそぉっ、こんな時までお前は『鬼神』なんだな…。

「ちっ!!……俺も好きだよ…だから離れてくれ」

あぁっ恥ずかしい…でもウソではないしな。

「ホント?…前みたいにウソじゃない?」

「ウソじゃねぇよ…ホントだ」

そんな目で俺を見詰めるな…何か変な気持になる。

…まぁ、良いか。

俺は、衝動的に、ぎこちない手付きではあったが、マリコを抱き締めてみた。
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