不良の法律~Judge Town~
「はぁ…良かった。これで両思いだね…しかも、ハヤトが私を抱き締めるなんて。明日雪降るかも」

「……今は夏だ」

嬉しそうな顔しやがって。だが、よりによってこの時期に来やがったか…。

正体不明のレイプ犯がいるこの時期に…。

「タケシ、ヒサジ…一度出直そう」

今日はこれ以上の調査は出来ない。マリコが居たんじゃ、危険すぎるしな…。

「そうだな。マリコちゃんが危ないもんねぇー」

タケシが、俺を茶化す様な口調で話しかけて来る。

「あぁ…そうだ」

そして俺は、こうなった手前、開き直ってみせた…。

「何かあったの??」

そんな中、マリコが少し心配そうに俺に聞いてくる。

「ちょっと問題があってな。マリコ…この町に居る間は、俺の側から絶対に離れない様にしてくれ」

「うん…わかった。絶対に離れない…」

するとマリコは腕に絡み付くように腕を組んできた…。

「そういう意味じゃねえよ。俺の目の届く所に居ろって意味だ…」

「別に良いじゃん。減るもんじゃないんだし!」

…普通、男が言う言葉だぞそれ。

「こんな格好で歩けるかよ…普通に恥ずかしい」

「何照れてんのよ、男らしくない」

「何とでも言えよ…」

何時の間にか、下らない言い合いになってしまっている俺達。

「仲良しだな。ハヤトのキャラじゃねぇけどさ」

「良いことだろ…親友としては、応援してやらんといけないな」
< 110 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop