不良の法律~Judge Town~
それがカズヤとサヨとの出会いだった…。

サヨは同い年でカズヤは三つ年上だ、二人は兄弟で両親を不慮の事故で無くし…この孤児院に来た…。

当時の俺には解らなかったが…色々嫌な思いをしてこの孤児院に来たのだろう。

サヨはもの静かな女の子だった…。

必要以上には喋らず…常にカズヤの側を離れなかった。

カズヤは逆に面倒見が良く俺にも気さくに話かけてくれる天性の兄貴肌だ…。

頭も良く思慮深くて常に考えて行動する…幼いながらもこんな人間に成りたいと思った俺の理想の男だ…。

俺は本当の兄弟が出来たみたいで嬉しかったんだ…カズヤは俺を弟みたいに可愛いがってくれたし…。

けど…サヨは自分からは俺に話かけては来なかった…。

二人が孤児院に来て二年が過ぎた頃だ…。

俺達三人の一つ目の分岐点…。

カズヤが初めて中学校に通う日の朝だ…。

「今日から俺も中学生だ!!二人の行く学校とは正反対の方向になる…だからサヨと学校に行く事は出来ない」

二年たった今でも兄離れが出来てないサヨ…今まではカズヤと一緒じゃなきゃ登校出来なかったが…今日からは一人で登校しないといけない…。

それは解っているのだろうが…サヨは悲しそうな顔で俯いている…。
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