不良の法律~Judge Town~
「ごめん!!ちょっとビックリしちまった…じゃあ行くか??」

俺は改めてサヨに手を差し出した…。

サヨは黙って俺の手を掴み…そして学校に向かった…。

サヨの手は小さく…そして冷たかった。

でもその冷たさが…サヨの心の暖かさなんだと俺は感じたんだ。

話は皆無だった俺達だが…俺は楽しかった。

通学路の途中にある桜並木が…建設途中の建物が…二人で手を繋いで歩いていると違う風景に見える…。

今日から毎日サヨと二人で学校に向かうのか…。

そう考えると何だかただの通学も楽しく感じる…。

「どうしたのヒサ??…何だか楽しそう…」

サヨが不思議そうな顔で俺を見詰めて聞いてきた…。

「そうか??いつも通りだよ俺は…ただサヨが俺と一緒に登校しても良いって言った事がさ…てっきり俺の事嫌いなんだと思ってたから…それが嬉しいのかもな」

俺はちょっと気恥ずかしくて回りの風景を見ながら答えた…。

するとサヨは俺の手を強く握り返し…

「サヨはヒサの事好きだよ…お兄ちゃんの次に好き」

と言ってくれた…。

その言葉は素直に嬉しかった…カズヤの次でも良い…嫌われていないと解っただけでも俺は嬉しかった…。
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