不良の法律~Judge Town~
喉が渇いていたのか…それとも過去の自分と決別する為にか…。

ヒサジは吸い掛けのタバコを消して…続きを話だした…。

「それからの毎日は本当に楽しかった…サヨは余り喋らないし笑わなかったけど…たまに見せる笑顔が可愛くてな…俺は気がついたらサヨの事が好きになっていた…違うか…初めて会った時から好きだったのかもしれない…」

そう…一目ボレだったんだ…その時は恥ずかしくて言えなかったけど…。

サラサラな髪の毛が…色素を感じない白い肌が…整った顔立ちが…全てが綺麗だったんだ…。

見てるだけで幸せだった…俺に笑いかけなくても…同じ空間に居れるだけで俺は…この気持ちを我慢する事が出来る。

学校に行く時と帰る時は俺がサヨを独占する事が出来た…。

自分からは余り話さないサヨ…でも手をつないでいる時はサヨと繋がっていられる…。

俺の感じてる気持ちとサヨの感じてる気持ちが違っても…それだけで満足だった。

多分カズヤは俺のサヨに対する気持ちに気付いている…。

地元で祭りがある時とかは途中まで一緒に行くが…

「二人とも悪い!!友達に呼ばれてるんだわ…ヒサジ!!サヨを頼むな!!しっかり手を繋いでやってくれ」

とか言いながら二人で居る時間を演出したりしてくれる…。

サヨは悲しそうな顔をするが…黙って俺に手を差し出すんだ…。
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