不良の法律~Judge Town~
俺はサヨの手をしっかり掴んで出来る限りの笑顔を向けるんだ…。

口で告白出来ないから…態度で気付いて貰いたくて…。

何よりも…サヨの笑顔が見たくて…。

お金は院長先生が祭り用にくれるんだ…俺達は一応断ったんだが…

「子供が親に気を使うんじゃない…ヒサジもサヨもカズヤも…この孤児院に来た子供達みんな私の子供なんだ!!こんな時ぐらい親らしい事しないとな」

とか言って無理矢理お金を渡してくる…。

下手に使わないで返すと逆に怒られるので俺達は祭りを見て回ることにした…。

サヨは何も言わずに俺の後を着いて来る…。

「サヨは何か食べたい物ないのか??」

「……無いよ…」

ウソだな…チラッと見ただろ…あの出店を…。

俺はサヨをその場に置いて出店に向かった…。

「いらっしゃい!!何欲しいんだい少年!」

「そのリンゴ飴二つ下さい!!」

俺はサヨが見ていたリンゴ飴を二つ買ってサヨの元に戻った…。

サヨがビックリした表情をしている…。

「はい!!何か急にリンゴ飴食いたくなってさ…サヨも食べようぜ」

「…ウソでしょ…だってヒサ甘い物食べないじゃん…」

サヨは俺を軽く睨みながら…でもしっかりとリンゴ飴を受け取った…。
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