不良の法律~Judge Town~
でもたまには怪我はする…。

そんな時…サヨはいつもこう言うんだ。

「ごめんねヒサ…サヨのせいだよね…ごめんね…」

…軽く涙を浮かべながら…でも決して涙を流さず…決まって自分を責めるんだ…。

そして俺も決まってこう言うんだ…。

「サヨのせいじゃない…俺がムカついたからケンカしただけだ…だからサヨのせいじゃない…」

艶やかなサヨの長い髪の毛を…撫でてあげながら俺はサヨの目を見詰めて答える。

そして…手を繋いで家に…みんなが待っている孤児院に帰るんだ…。

これで良い…サヨは俺が守る…カズヤと約束したからな。

不器用でカズヤみたいに気の利いた事何て出来ない…でも…サヨを好きな気持ちだけは誰にも負けない…。

いつか…サヨを自信もって守れるとカズヤに言える用になったら…告白しよう…。

サヨの為なら…俺は何にでもなれる。

そう…心に誓ったんだ…。

「でも…でも!!…俺は…俺はサヨを…守りきる事が出来なかったんだ!!!!」

ここまで静かに話していたヒサジが…いきなり声を荒げてテーブルを叩いた…。

空になっているヒサジのグラスが振動で倒れる…。

俺達はビックリしたが声を上げる事が出来なかった…。

ヒサジの目が…いつもクールなヒサジの目には…涙が溜まっていたから。
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