不良の法律~Judge Town~
俺は急いで立上がり走り出した。

「ちょっと待ちなさい君!!自分がどんな状態か解ったいるのか!!」

どんな状態??確かに頭からは出血がヒドいのか、走る度に滴った血が地面を鮮やかに彩っている…。

けど…関係ねぇな。

俺は頭の傷を完全に無視して走り出した…。

何だか身体が軽く感じる…。

さっきまでの頭痛がウソみてぇだ…。

俺は孤児院に向かって走り出した…ケイタがどこに行ったか解らない以上闇雲に探しても意味がねぇ…。

カズヤならケイタの居場所が解るかもしれない…。

孤児院に着いた俺は勢い良く玄関のドアを開いた。すると院長先生が笑顔で出迎えてくれたが…すぐに顔が真っ青になる。

「ヒサジ!!どうしたんだその頭の傷!血が…」

院長先生の大きな声が家中に響いたのか、帰って来ていた兄弟やカズヤが急いで俺の元に走ってきた…。

「カズヤ済まない…サヨを誘拐された。犯人はケイタだ…」

俺はまずカズヤに謝った。サヨを絶対に守ると誓ったのに守り切れなかったからだ…。

「ケイタが…そんな!!」

カズヤは何が起きたか理解出来ていない。相当ショックなんだろう…放心状態で立ち尽くしている。
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