不良の法律~Judge Town~
「悪いが動揺している場合じゃないぞカズヤ!!ケイタの居所の心当たりはないのか??」

早くしないとサヨが…考えたくも無いが嫌な予感ばかり頭を過ぎる。

「あっ!!あぁ…話に聞いただけだが小学校に行く途中にある桜並木の近くに、建設の途中で会社が倒産した建物があるだろ??そこが溜まり場になっていると聞いた事がある…」

確かにあの建物は途中で工事が終わっていた…あそこか!!

俺は現場に急ごうと思い孤児院を飛び出した。

絶対にサヨをこの手で助け出す!!

だが俺の意思に反して視界が急に反転しだした。近くあった壁に思わず寄り掛かる…。

さっきまであんなに調子良かったのに…今になってこれかよ!!

俺は頭痛がヒドくて頭を押さえて少し休憩してるとカズヤや他の面々が駆け付けてきた。

「その傷じゃ無理だヒサジ!!…俺がサヨを連れ戻しに行く!」

カズヤがこの寒い冬に長袖一枚で俺の前に立っていた…。

まぁ着替える暇は無かっただろうけどな。

「いや…俺も行く。俺がトチったからサヨを連れ去られたんだ…俺が助ける。」

俺は一度深呼吸をして気合いを入れた。

痛くねぇ痛くねぇ痛くねぇ…。

俺は強い…こんな傷に負けてたまるか!!

俺はカズヤの返事を聞く前にまた走り出した。
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