不良の法律～Judge Town～
先生は少し考えてから…静かに話し出した。

「…最初に私のヒヤリングの結果を聞いて貰えるかしら??」

「はい…お願いします」

俺は覚悟を決めて柏木先生と向かいあった…。

「まず君達の院長先生に聞いた話によるとサヨちゃんの両親は事故でお亡くなりになっている…それが原因でサヨちゃんは過去に心を壊しかけていた。ちゃんとしたカウンセリングも受けないで自己修復したおかげで、まだ心が脆いままだったのよ…つまり近しい人の死に敏感だったの」

先生は俺にも解る様に難しい単語は使わず、丁寧に話してくれている。

「そしてサヨちゃんはヒサジ君が鈍器で殴られて倒れる所を目の前で目撃した。この時サヨちゃんはヒサジ君が死んだと錯覚したのよ…それに加えて覚醒剤の投与。覚醒剤には興奮作用や幻覚作用があるの…興奮作用には痛みや疲れを感じさせなくする作用があって、幻覚作用は…文字通り幻覚を見せる作用がある」

だからあの時ケイタ達は訳の解らない事を言っていたのか…。

アイツ等には見えていたんだ。猫やリンゴの幻覚が…。
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