不良の法律~Judge Town~
「…ホントにちゃんと聞いてくれるのか??」

「おぅ!!俺はちゃんと聞くぜ。だから話してみろ」

得体のしれない初めて会った男…この男が何者か何て解らない。

けど…悪い奴じゃなさそうだ。

…少しこの男を信じてみよう。俺は何故かこの時そう思ったんだ…。

俺はサヨが誘拐された経緯や、今の状況を銀次に話したんだ。

俺が話している間…確かに銀次は俺を茶化す事なく真剣に聞いてくれた…。

適度に相槌を打ってくれたり、俺の目をしっかり見詰めて話を聞いてくれる…。

「俺は今どうして良いか解らないんだ…孤児院に帰ったら病院に連れて行かれる。病院にはサヨとカズヤがいるから行きたくない…けど俺には何処にも行くアテが無いんだ」

銀次は俺の話を聞き終わった後、ポケットからタバコを取り出して吸い出した…。

「…お前は弱いな」

銀次は俺を見る事なく空に向かって煙を吐き出しながら呟いた…。

そうだ…俺は弱い。しかも最低の口だけ男だ…。

「でも…俺はお前の弱さは嫌いじゃねぇぜ」

銀次は軽くはにかみながらタバコを俺に差し出した…。
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