不良の法律~Judge Town~
「ヒサジ…一本吸ってみろ」

銀次はタバコを俺の口に無理矢理咥えさせた後…火をつけてくれた。

見よう見まねでタバコを吸ってみる…っ!!

俺は激しくむせてしまった。

そんな俺を見て銀次は爆笑している…。

この野郎…。

「わりぃわりぃ!!ちゃんと意味があるんだ!!怒るなヒサジ」

俺は気がついたら拳を振り上げていた…銀次は両手を上げて降参の合図をしている。

「意味だと!?ウソつくな!!」

絶対カラかっているだけだ…。

「ウソじゃねぇよ!!意味合いは少し違うがこれも弱さだ。初めてタバコを吸えばむせるのは当然なんだ。だけど毎日吸う様になれば、身体が慣れてきて普通に吸える様になる。これが強さ…」

銀次は吸い欠けのタバコを道に放り投げて踏みつぶした…。

「今のお前も似た様なもんだって事…初めての辛い体験で頭がついていってないんだ。だから逃げたくなるし弱気になる…でも勘違いするなよヒサジ。弱気になる事は悪い事じゃない…人は自分の弱さを理解した時に、本当の強さを手に入れる事が出来る」

弱さを…認める。

「ヒサジ…お前は強くなりたいか??」
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