不良の法律~Judge Town~
俺はトウマに不自然な笑顔を一度向けた後、マリコを抱き締めた…。

「そしてマリコ…お前は俺の帰りを待ってろ!!俺は死なねぇし負けねぇ!!…あと叔母さんに宜しく言っといてくれ。いつかマリコを貰いに行くってな…」

最後のセリフはマリコの耳元で呟く様に言った…。

多分トウマには聞こえていないはずだ。

「……ちゃんと聞いたからね。男に二言は??」

マリコも俺の耳元で小さく呟く…。

随分ナメた事聞くじゃねぇか…。

俺はマリコを放してマリコに背を向けた…そして…

「ねぇよ!!」

軽く右手を上げて来た道を戻った…。

「絶対だからね!!私待ってるから!!」

後ろからマリコの声が聞こえてくるが、もう振り返らないし返事もしない…。

今までが俺の理想の物語ってやつだ…。

だから俺は頭を切り換えないといけない…これからは…暴力の世界の物語。

殴り合い…動けなくなった奴に蹴りを入れ…そしてまた殴る。

焼きを入れるとかの話じゃない…相手を戦闘不能にするまで続くケンカだ。

簡単に言えば…殺し合いの始まりだ。

道行く不良共が俺を見ている…けどケンカは売ってこない。

気付いたのかもしれないな…俺の頭がどんな状態になってるか。
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