不良の法律~Judge Town~
まずは攻撃…無駄の無い動きで肘や膝のコンビネーションで相手を殴る。

殴る場所は全て人体の急所で、確実に相手を戦闘不能にしていた…。

そして防御…攻撃は最大の防御と聞くが、まさにその通りだ…。

空手やボクシングよりも近い距離で戦うヒサジはそれだけで防御になる。

拳や足の甲で打つ攻撃は近距離だと意味を成さない…ある意味理に叶った攻防一体のファイトスタイルだ。

まぁそれは知っていた事だからさほど驚かない…驚いたのはヒサジの意外な残虐さだ。

このケンカは遊びじゃないのは確かだが…それを差し引いてもヒサジの猛攻はヤバい。

向かって来る相手じゃなくても、その場に居る敵全てを渾身力でぶん殴っている感じだ…。

(そうか…なら仕方ないな…)

確かヒサジはさっきそう言っていた…。

なるほど…こういう意味だったんだなヒサジ。

ヒサジは最初にちゃんと忠告していた…でもそれを無視して立ち向かって来ているんだ。

ヒサジも腹を括った訳だな。

俺は物思いにふけっていると、目の前の敵が殴りかかってきた…。

俺は咄嗟に上体をそらして躱す。

危なかった…俺はこんな時に何を考えているんだ!!

目の前の敵に集中しねぇと…。

俺は一度心の中でカツを入れ、敵と対峙し直した…。
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