不良の法律~Judge Town~
ゲンの蹴りが俺の右即頭部を捉え、俺は軽い脳震盪に陥る………。

…右即頭部??

ゲンは俺に追撃することせず、様子を伺っている…。

俺は蹴られた頭を押さえながら少し考えていた…。

確かゲンは右足で俺の左即頭部を狙って蹴りを繰り出していた…だが実際は俺の右即頭部に蹴りが当たる。

考えられる事は一つだ…。

「…柔らかい関節によるフェイント…外側を狙うフリして内側を狙っただけ。ゲンにしか出来ないワザだ…」

「…余計な事を言うなリュウ」

いつの間に来たのか…リュウがゲンの近くまで来ていた。

「…調べはついたのか??」

「あぁ…後は吊し上げるだけだ」

吊し上げる??…何の話だ??

「そうか…ご苦労だったなリュウ…」

ゲンはリュウの肩を一度叩き、リュウと共に俺から離れて行った…。

つうかよ…。

「どこに行くつもりだゲン!!逃げるつもりか!?」

俺は薄々気付いていた…ゲンから相手を畏縮させる様な殺気が少しも出てない事に…。

二日前に殺り合った時のゲンは『破壊神ゲン』の名に相応しいぐらいの殺気だった。
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