不良の法律~Judge Town~
院長先生が言うには、夜中のうちに孤児院から抜け出し、そのまま家には帰ってきていないらしい。

服などはほとんど置いてったらしく、ほとんど手ぶらの状態で抜け出したようだ…。

それもあってか院長先生は、かなりヒサジの心配をしている…。

「…ヒサジならきっと大丈夫だ。今は家に帰って来たくないだけだよ」

俺はそう院長先生に言い、この事態を簡単に考えていた…。

でも、ヒサジが孤児院に帰ってくる来る事はなかった…。

だんだん心配になってきた俺は院長先生に、警察に捜索願を出すように言ったんだが…

「きっとヒサジは大丈夫だよ。今は帰ってくるのを待とう…」

と言い、この前あんなに心配していた人物とは思えないぐらいの冷静ぶりだった…。

少しの違和感を感じながらも、俺は院長先生の意見に従った…。

きっとヒサジの事だから、無事だろう。

まだたったの三週間じゃないか…いつかきっと帰ってくる。

俺はそう信じ、入院生活を続けた。

また月日は流れ、あの事件から一年の時が流れた…。

俺は一人暮らしを始めたんだ。

そして学校は辞めた…理由は単位が足りなく、留年するのが嫌だったのと、周りの変な同情心だ。

病院を退院し、俺が学校に行くと、周りの態度がよそよそしかったんだ。
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