不良の法律~Judge Town~
それは別に仕方がない…それは解っている。

でも俺には耐えられなかった、普通に接してくれればいいのに、周りは壊れ物に触るように俺に接してくる。

俺の事を気にかけてくれるのは嬉しいが、俺が居る事によって周りの雰囲気まで悪くなる事がどうしても嫌だった…。

そんなこんなで俺は今、アルバイトをしながら暮らしている…。

アルバイトを二つかけもちし、暇さえあればサヨの元に顔を出すようにしている…。

この一年、俺はサヨの元に通い続けた…。

今日も俺はバイトに行く前にサヨの病室を訪れた…。

「今日はいい天気だぞサヨ!おっ!今日は調子が良さそうだな…」

サヨは病室の窓の外を眺めていたが、俺が病室に入ると、サヨが笑顔でこちらを見上げてきた…。

あの日から一年…。

サヨの感情は少しずつだが、戻りかけていた。

「いい子にしていたかサヨ?今日はこんなもの持ってきたぞ」

俺は袋に詰めていたイルカのぬいぐるみを取り出し、サヨに差し出した…。

サヨは俺のぬいぐるみを受け取り、嬉しそうな表情で抱きしめている。
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