不良の法律~Judge Town~
「もう少し考えてサヨちゃんの事を話せば良かったと後悔しているのよ…私の気遣いが足りなかったせいでヒサジ君が家出したんじゃないかってね」

話に聞いただけだが、柏木先生がヒサジにサヨの病状を説明したと聞いていた…。

ヒサジは意識を覚ましてすぐに、サヨに会わせてくれと懇願し、白鳥先生がサヨの元に案内した…。

そしてサヨに会ったヒサジはひどく落胆し、静かにサヨの病室を去った。

柏木先生はその時の説明に負い目を感じているようだ…。

でも俺は柏木先生に負い目は無いと思っている…何故なら。

「ヒサジ自身がサヨの病状を聞きたいと望んだんだ…だから柏木先生に負い目はないと思いますよ。変に嘘をつかれるよりも、正直に話してもらった方が良かったんだ…ヒサジはそう考えている筈です」

「…そうかしら。ヒサジ君も当時中学一年生だったのよ…私の気遣いが足りなかったんじゃ」

「いえ…ヒサジは変に大人っぽい所があったんです。俺もそうですが、サヨが純粋な子だった分、自分がしっかりしないといけないと気を張っている気がありました。…俺の勝手な想像ですが、ヒサジは自分自身にケリをつける為にサヨの元を離れたんじゃないかと考えているんです」

俺の知っているヒサジは、サヨが全てな人間だった…。
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