不良の法律~Judge Town~
マモルが答えるよりも先にうちの店の店長が、マモルの首に腕を回しながら答えてくれた…。

「…かんべんして下さいよ店長。俺もわざと遅刻している訳じゃないんすよ?」

「女に呆けているのは理由に入んないぞ?んっ?」

全てを見抜かれているマモルはこれ以上店長に何も言えなくなった…。

俺はこの様子を見て自然と笑みがこぼれる…俺と同い年のマモルと20代後半の店長は、はっきり言ってかなり噛み合っている。

年の差なんて何も感じさせないくらいに…。

「マモルが悪いよ…遅刻しないのが普通なんだからさ」

俺はそうマモルに話しかけると、制服に着替えるために更衣室に向かった…。

今日は週末なだけあって、うちの居酒屋は大いに繁盛していた…。

世の中は不景気なのだが、それでもうちの居酒屋の売り上げは隣接している他の居酒屋より良かった…。

その理由としてまず、店長の人脈による客入りがあった。

若い頃はかなりの不良だった店長は、300人の暴走族の頭をしていた…。

その当時の後輩がうちの店のリスナーとして来てくれているので、売れ行きが良いのだ。

そしてもう一つの理由が…。

「ねぇ定員さん!連絡先教えてよ」

「オッケー!後で教えますねぇ」

マモルや他の定員のルックスによるものだ…。
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