不良の法律～Judge Town～
カズヤはそう言うと、携帯を取り出し、携帯のディスプレイを見せてくれた…。

携帯の画面にはカズヤと一緒に写っているサヨの姿が映し出されていた…。

病院服を身にまとっているが、携帯画面に写っているサヨは確かに元気そうだ。

昔よりも髪が伸び、顔は少し痩せているが、顔付きは昔のまま…俺が一目ぼれした時と同じく、綺麗な顔をしているサヨだった。

俺は自然と、携帯画面に写っているサヨに釘づけになっていた…。

「そんなにがっつくなよヒサジ。後でゆっくり見せてやるから」

そんな俺をカズヤが明るい調子で茶化してきた…。

「いや…もういいよ」

少し恥ずかしくなった俺は意地を張って、カズヤに携帯を突き返した…。

そんな俺を、見透かした様な目線で見つめてくるカズヤ…。

時は経っても昔から気づきあげた関係性は、なかなか崩れないものだな…。

俺の性格はカズヤを見本に作り上げたもので…カズヤには何でも見通されてしまうのも、また必然だった…。

「そんな事よりカズヤ…つぅっ！？」

俺は座っていた状態で上半身を動かしたら、少し違和感を感じて、腹を押さえる。

まぁ違和感事態はずっと感じていたんだが、我慢していたんだ…腹部の鈍い痛みを。

ケンカをしていた時に痛めた脇腹を。

「ヒサジ！？どうした？」

そんな俺の様子を見ていたカズヤが、テーブルの反対側に座っている俺に駆け寄ってきた…。

「何でもない…ただ今日のケンカで痛めた脇腹が、動いた時に少し痛みを感じただけだ。大した事じゃない」
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