不良の法律~Judge Town~
我慢していた俺だが、少しずつ痛みがひどくなってきていた…けどカズヤの前で弱みを見せる訳にもいかなかった。

カズヤに心配をかけたくないのもあるが、そこは男のプライド。

この程度の痛みで泣き言を言うのは、俺のプライドが許さなかったんだ…。

「大した事じゃないってお前…ちょっと服上げて見せてみろヒサジ」

カズヤはそう言うと俺の上着に手をかけ、服を捲りあげた…。

すると俺の左脇腹あたりが少し、青黒く変色していた。

俺は自分の脇腹を見て思わずため息をついてしまう…俺の経験上この感じは、骨に異常があるサインだったからだ。

カズヤは俺の腹部の傷を確認した後、静かに立ち上がり、部屋から出ようとしていた…。

「カズヤ!?どこに行くんだ?」

まだ話の途中なんだが…。

そんな俺にカズヤは何も語らず、部屋を出て行ってしまった…。

一体何なんだ?

俺は、自分の傷の度合を確かめるため、体を少し動かしてみた。

やはり、脇腹あたりを動かすと、鈍い感じの痛みを感じる…。

まぁ、自分で歩けるぐらいの痛みだから、せいぜいひびが入っているぐらいの傷だろうがな。

俺は自分の傷を安易に考え、少しホッとしていたらカズヤが部屋に帰ってきたんだ…。

なぜかサクラさんを連れて。

「どこ行ってたんだカズヤ?つうか何でサクラさんがこの部屋に?」
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