不良の法律~Judge Town~
「明日は我が身だからな。日本の生活水準が上がれば、企業の業績も同じ様に上がる。今の状態を打破する為に、一枚岩で結束しようとしているのさ…ハヤト君にはまだ難しい話だがな」

前田さんはそう言って、俺に笑いかけてくる。確かに俺にはまだ理解出来ない内容だ…。

日本の政治の事も、景気事情も何も分からない若造だからな…。

「でもまだ完璧とは言えないんだよなぁこれが。まだまだ、多くの企業の力が必要になってくる筈だからな…親父もまだまだ現役で頑張らないといけねぇな!」

「私は死ぬまで現役だ。お前に言われんでもやってやるさ」

前田さんは決意にも似た表情で、銀二に話かけていた…うん?親父って。

「前田さんと銀二って親子なのか?」

素朴な疑問だ…親子に見えなくもないしな。

「「違うっ!」」

だが、二人して激しく俺の意見を否定した。あまりの迫力の凄さに、少しひるんだ俺だった。

「…二人は正真正銘の親子だよハヤト。二人とも照れているだけだから」

「「照れてねぇっ!」」

…親子だな。

「話の続きを聞かせてくれミツハル…」

この親子漫才ももう少し見てみたいが、何時までたっても話が進まない気がする。

まだガミガミ言っている二人は取り合えずほっといて、俺とミツハルは話の続きを始めた。
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