不良の法律~Judge Town~
「うん、それともう一つの理由が、社会に居場所がない子供達の居場所を確保する為さ。不良だけじゃなく今の日本にはたくさんの悩める子どもたちが居る。少子化が進んできた今、少しでも多くの子供たちには、社会で頑張って生きてもらいたいんだよ…それは、僕の願いでもあるんだ」

ミツハルは最後、感情を込めて、言葉を区切った。

僕の願いだと…。

「自殺や不登校を完全に無くすの難しいけど、今を生きる子供たちに希望を持たせる事は出来ると思うんだ。希望が残ればそれに向かって走る事は出来る…ジャッジタウンは確かに無法の町だよ。でも、この町の存在に救われた子供はいっぱい居ると思うんだ…今はまだ、学業の面などで問題が残っているけど、いつかは社会に認知してもらえる様な町にしたい…それが僕の願いなんだ」

ミツハルの願いか…俺はこの町にミツハルが居るのが最初は不思議で仕方なかったんだ。

頭の回転は速いし、言葉使いは丁寧。ルックスも悪くないミツハルは営業をやらしたら間違いなく社内トップになれる器だと思う。

でも、ミツハルはこの仕事だからこそ頑張っているんだと最近思うんだ。

普段どんな仕事をしているかは知らないが、ミツハルの仕事の量は普通の人間にはこなせないぐらいの量をさばいている様に感じるんだ。

ジャッジタウンを離れる事も多いし、町に居ても、夜遅くまで何かを調べているし…。

俺が困った時は、知らないうちに助けられている事も度々だ。

もうこのレベルまできたら、何か信念みたいな物がないと出来ないと思う。

俺は、この時ミツハルの凄さを垣間見た気がした…。

「それと、これは初めて話すんだけど、実はハヤトの両親に僕は一度会った事があるんだよ」

「はぁっ?」

いきなり話がぶっ飛んだな。どうしてミツハルが、俺の両親に会ったんだ?
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