不良の法律~Judge Town~
身に覚えのない事なのだろう…カズヤは、怪訝な表情をしながら、首を傾げている。

(ヒサジを連れてサヨの元に行く…)

確かに院長先生は電話口でそう言っていた。カズヤが出した手紙ではないのなら誰がこんな手紙を出したんだ?それに、カズヤの身に起こった出来事や最近俺達の周りで起こっている出来事を考えると、どうにも不可解な事だらけだ。

犯人の目的は恐らくこの町で動乱を起こす事だった。それは何となく理解出来た…でも今だに解らない。

「結局、犯人達は一体何がしたかったんだ?ジャッジタウンでこんな大事を起こして、奴等に何の得がある…こんな社会から閉ざされた町で何がしたかったんだ?」

「その事に関してはこれ以上首を突っ込まない方が良いヒサジ…」

俺が一人悩んでいると、かなり絶妙なタイミングでドラゴンが部屋に入ってきた。

「今回、中学生地区で事件が起こったのと同様にこの高校生地区でも事件が起きていたんだ。その過程で、カズヤを助ける事になったんだが…実はまだ事件は終わっていないんだよ」

事件が終わっていない?

「というか、終わる事のないケンカなんだよこれは。この町があり続ける限りな…」

「…それは、ドラゴンが犯人を知っているという意味ととっていいか?」

ドラゴンの話し方を聞く限りは、犯人に心当たりがある印象を受ける。

「まぁ…な。でもこれ以上の説明は俺には出来ないんだよヒサジ」

「何故だドラゴン?俺達には聞く権利がある…こうしてカズヤも事件に巻き込まれたんだしな」

身内を拉致監禁されたんだ…。俺はこのまま身を引く気には到底なれない。
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