不良の法律～Judge Town～
新しい門出
タケシは今日家には帰らないので当然家には誰も居ない。静まり返った家に電気をともし、俺は取り合えずいつもの席…今日の朝まで俺のベット変わりだったソファーに腰を下した。

ヒサジはというと、軽く血で汚れた服を取り換えに自室に戻っていった。

当然一人ぼっちになってしまった俺は、テーブルの片隅で等間隔に光を発しているある物体に目がいった。気になった俺は、その物体を手に取る…。

「俺の携帯か…あれ？俺持っていってなかったけか？」

急いでポケットを確認してみたが、当然目の前に俺の携帯があるんだから、俺のポケットには携帯は無かった。俺は何気なく携帯を開いて確認してみると…。

「げっ！」

不在着信29件…全てマリコからの着信だった。

恐らく俺の連絡を待っていたかったんだが、何時まで経っても連絡がこなかったから、連絡をよこしたんだろう。だが、いくらなんでも連絡し過ぎだろ…折り返しの連絡ぐらいするっつうの。

「どうしたハヤト？ムズかしそうな顔して…」

着替えが終わったヒサジが、自室から出ると、俺に話しかけてきた…。

「いやな…これ見てみろよ」

百聞は一見にしかず。俺は携帯を開いて、着信履歴をヒサジに見せた。

「これは…凄い着信だな。もしかしてマリコちゃんに無事だったって連絡してないのかハヤト？」

「あぁ…すっかり忘れててな。マリコの奴間違いなく怒ってるよな…」

マリコは怒ると意外に怖い…それはこの前身をもって味わった。怒鳴りつける感じのキレた人間は腐るほど見てきた俺だが、マリコみたいに冷静に怒るタイプは初めてで…怖いものなんてないと思っていた俺だが、正直言ってマリコに電話するのはかなり怖かった。

口には絶対に出さないがな…。
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