不良の法律~Judge Town~
「それはこっちのセリフだハヤト!タケシの病室にもう一個ベッドあったはずだよな?お前とタケシは、病室から俺の見送り決定だ」

「残念だなぁ…あのベッドは、ミカちゃんが使いたい筈だから、俺は遠慮しておくよ。だから俺は……」

そんなこんなで、俺とヒサジは、殴り合いのケンカではなく、口でのケンカを夜中まで続けていた。









「さて私はそろそろ帰るとするよ…後は任せたぞ銀二、ミツハル」

夜の密談が終わった後、前田さんは最近のジャッジタウンでの近況や、これからの方針などを深夜まで話し合い、ジャッジタウンから出ようとしていた。

そんな前田さんを見送りに、銀二とミツハルが外まで出てきていたのだ。

「解りました。今まで通り、頑張っていきます」

「まぁ、今まで通り、適当にやってくよ俺は…」

「適当は大いに困るんだがな…」

礼儀正しく、ミツハルが返事をし、適当に銀二が返事をしていた。そんな両極端な二人を見て前田さんは、今日何度目になるか分からない、深いため息を吐いた。

「俺に頭脳プレイを求めんなよ親父。頭を使って行動するのは、ミツハルの仕事で、俺は感性で行動するタイプなんだよ」

そんな前田さんの気持ちなど気にせず、銀二は適当に返事を返していた。

「…じゃあその感性とやらを大いに発揮してくれ。それじゃあ私は東京に帰るとするよ。それじゃあな二人とも…」

そう言うと前田さんは、止まっていた車に乗り込み、少しづつ明るくなりかけている闇夜に消えて行った。
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