不良の法律~Judge Town~
加賀はというと、オーソドックスな構えでトウマを見据えていた。重心を前にやっている所を見ると、パワーで押し切ろうとしているのがトウマにも解った。

力対力では恐らく加賀には勝てない…。フランケンに見えるだけあって、ガタイはかなり良いし、上背もある。ここは、相手の出方を見て出よう…。

トウマは、距離を保ちながらも相手の出方を窺った。

そんな状態が10秒ほど続いた時、加賀が動き出した。

素早いとは言えない動きでトウマに走り寄り、タックルを決めてくる。だが、トウマは加賀のタックルを途中で見切り、タイミングを合わせながら前蹴りを入れた。

加賀は、その蹴りを顔面にもろで受けた。この時トウマの頭では加賀が蹴りで怯むと思い、そのまま勝負を決めようと思っていた。

だがそうはいかなかった。

加賀は怯むどころか、トウマの蹴りを受けたままタックルを決め込み、地面に押し倒す…。トウマは片足が加賀の肩にかかる様な状態。つまりは、かなり不自由な状態で地面に寝転ぶことになった。

加賀はパワーに任せて上から殴りかかる。トウマはマウントを取られた訳ではないが、攻撃に転じれる状態でもなかった。両手で顔面を守るだけで、精一杯の状態なのだ…。

それでもお構いなしの加賀は、トウマを上から殴りまくる。時折、ガードの隙間からトウマの顔面にクリーンヒットしており、トウマが力尽きるのは時間の問題かと思われた。
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