不良の法律~Judge Town~
「あっ!そうか。さっきの砂の件で怒っているのか?でも路上のケンカに正式なルールはないだろ!別にそんな事で怒るのはどうかと…」

加賀は、ハヤトの迫力に押されながら、ゆっくりと後ろに下がっていく。加賀の取り巻きもなぜか自然と後ろに下がっていった。

すると、ハヤトは静かに立ち止まり、軽くうつむくと、ゆっくりと言葉を発した。

「…確かにケンカにルールはない。何をしようと、勝てば正義だ…」

「そうだよな!ケンカにルール何かねぇもんなぁ?」

加賀は安堵した様子で、陽気にハヤトに話しかける。

「…だけどよ」

「へっ!?」

ハヤトは前置きを置いた後、うつむいていた顔を上げた。その表情はさっきとは違い、ありありと怒りの感情が見え隠れしている。

「俺の女に手を出すのは許せねぇな…」

「はぁ!!?」

ハヤトはそう言うと、一気に加賀との距離を詰めより、右のストレートを鳩尾に打ち込む。

反応出来ていなかった加賀は、ハヤトの拳をもろに受け、胃液を地面にまき散らす。

「…ふぅ。ところで、お前等はどうする?やるなら相手になるぞ?」

ハヤトは周りに居る加賀の仲間に声をかけた。

「…今日は引かせて下さい」

人数でまさる加賀の取り巻きは、あろうことか、全員逃げる決断をした。

「ふふ…英断だな」

ドラゴンはその様子を見ながらぽつりと言葉を漏らした。
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