不良の法律~Judge Town~
渦中のハヤトはというと、加賀の取り巻きの言葉を素直に受け入れ、身を引く事にしていた。

ジャッジタウンという、修羅場で暮らしているハヤトにとって、こんなケンカはただの弱い者いじめになってしまうという考えでの決断でもあった。

加賀の取り巻きは、ぐったりしている加賀をつれ、そそくさと河川敷を後にしていく。その様子を眺めていたハヤトだったが、加賀達が視界から消えたのを確認すると、腕組みしながらハヤトを眺めていたドラゴンの元に歩いて行った。

「お疲れさん。『素人』相手にあのボディーブローはかわいそうだろ?」

「あぁ?アイツはフランケンだから、大丈夫なんだよ」

「どんな理屈だよ…」

ドラゴンは、苦笑しながらも、ハヤトのジャケットを手渡していた。

「サンキュ。マリコはトウマの付き添いに行っているのか?」

「そだ。向こうの水飲み場まで一緒に行ったよ…」

そう言うとドラゴンは、加賀が消えた方とは逆の方向を指差した。目を凝らして良く見ると、2人の影が見える。どうやら、あれがトウマとマリコのようだ。

「もうあいつ等が絡んでくることもないだろう。ドラゴン…そろそろ時間か?」

ハヤトは腕時計の時間を確認し、ドラゴンに確認を取る。

「確かに、そろそろ約束の時間だが…俺一人でも問題はないぞ?」

「そんな気を使わなくていいよ。今生の別れでもないんだしな…」

「あのぉー…」

俺とドラゴンが話をしていると、学校で話しかけた女の子が遠慮がちに話しかけてきた。そういえば一緒に来たんだったな…。

「なんだ?」

「いやっ…あのですねぇ…」
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