不良の法律~Judge Town~
俺は素直にカズミさんに支えられ、トイレに向かった。

普段の俺なら意地でも自力で歩いたと思う…。

けど今の俺はアルコールのせいか素直に他人の好意を受け入れてしまっていた…。

そんな俺をミツハルは静かな笑みで見ていた…。

カズミさんはさっきの宣言通り俺をトイレまで運ぶとトイレの外に出て行った…。

俺は立ってションベン出来る便器の前に立ち、壁に寄り掛かる様な形で用を足した…。

我ながら何とも情けない格好だ…。

いつもの倍の時間をかけて用を足し、外に出るとカズミさんがお絞りを持って待っていてくれていた。

「はぁいお疲れ様!!早く席に戻りましょ」

カズミさんは俺に新しいお絞りを渡し、俺を席までエスコートしてくれた…。

酒のせいかな…カズミさんのウソの無さそうな好意を嬉しく感じる…。

よく考えたらこんな風に接してくれる人ってマリコや叔母さん意外に今までいなかったからな…。

ミツハルもそうだ…俺の暴力を目の前で見ていたのに俺を全く恐れていない…。

上も下もなく普通に接してくる…。

こういうのも…悪くないかもな。
< 71 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop