不良の法律~Judge Town~
特に問題も起こらず無事入口にたどり着いた…。

今日も新しい住人が来ては去って行く…。

様々な感情が入り交じっている玄関であり出口…。

希望と絶望が等しく調和したような場所…。

たまに俺やタケシはこの場所に来るんだ…。

新しく来た奴の腕を試すのだ…。

この町で通用出来そうもない奴はここで現実を解らした方が本人のためだ…。

俺もタケシもヒサジ以外には負けたことがない。

ジンやゲンとはやり合ったことが無いので解らないが…。

大概の奴にはまず負けない…。

負けても歯を食いしばって頑張れるならそれも良し…諦めるもよしだ…。

ケンカに負けるのは恥じゃない…要は諦めない姿勢を見せて欲しいのだ。

じゃなきゃこの町では生きていけない…。

今日も虚ろな顔で地面に座っている奴がいる…。

「ここは変わらないな…町を出たいのに出れない…そんな奴は大抵親が迎えに来る」

そうなのだ…そんな奴に限って迎えが来るのだ…そして自分の意思で出れない我が子を連れて帰る…。

「やっぱここは俺の性に合わないな…」

ヒサジが遠くを見るような目でそう呟いた…。

ヒサジはヒサジで色んな闇を抱えているのだろうな…。
< 99 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop