ただ普通の恋がしたかった
次の日、昨日のことなんて、なかったように私の気は晴れていた。

昔から、ふっきれるのは早い方なのだ。
でも別に、北先輩を諦めた訳ではない。

教室につくと、里奈が私の机の側で待っていた。

「真緒ー、昨日メール返さなくてごめん!」
「いいよー。」
「北先輩とどうなったの?」
「なんか勢いで告って、玉砕だよ。」
「真緒って案外奥手かと思ったけど、積極的だね。」
「だねー。告白したの、でも初めてだよ。」

里奈とは、高校入って出来た友達だから、私の中学時代を知らない。

「でも、真緒ってモテ顔だから、結構告白はされたっしょ?」
「んー、まぁ、されたと言えばされたのかな。5人くらいだよ。」
「すごーい。私なんて、告白されたことないよ。え、じゃ、彼氏いたの?」
「彼氏はいたことない。なんか好きな人とは、両想いになれなくって、気持ち伝えられずに中学卒業しちゃって、今度好きになった人には絶対告白しようって思ってた。」
「あー、だから早まっちゃったんだ。」
「ね。まじ、私、バカしたー。」
「ドンマイドンマイ。」
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