ただ普通の恋がしたかった
「えー、これ、山川の妹なの????」

尚人さんが驚きながら言った。

「全然似てない〜!え、何ちゃん?」
「真緒です。」
「その髪につけてるシュシュ可愛いね。」
「ありがとうございます。」

尚人さんがもてるのがよく分かった。
茶髪で、ピアスは右に3個、左に2個。背も高い。
いいから目立つ。
そしてチャラい。

「草岡先輩のピアスもいけてますね。」

全然興味は無かったが、社交辞令でそう言った。

「いいよ、草岡先輩じゃなくて、尚人でー。カジュアルにカジュアルにー。」
「あ、はい。」
「真緒ちゃん固い固い〜。リラックス〜。」
「先輩達ばっかりなんで、ちょっと緊張しちゃって。」
嘘。北先輩が気になって、緊張しちゃって。
「お前、山川の妹ばっか、からかうの止めろよ。」

北先輩。
やっぱかっこいい。

「っちぇ。ってか里奈ちゃんこれからどうする?」
「あ、私は・・・」
「里奈は、私とこれから宿題しにいくんです。ね?」
と私は里奈の方を目を大きくさせて、強く見た。
「あ、あ、あ、うん。そうそう。そうなんですよー。」
と里奈は返してくれた。

「俺、そろそろ帰る。」

少し気分を悪くして、尚人さんは帰ってしまった。

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