子供じゃない。
家族四人で食卓をかこむの久しぶりだった。

なつかしさよりもうれしさのほうがつよかった。

当たり前に15年間こうしてきていたんだ………

父さんはもっと長く、母さんとこうして食卓をかこんでいたのだろう。

デリバリーの食事を見て母さんは言った。

「今度は母さんがつくってあげるね」

この時、父さんは取り繕うように言った。

「おれも料理勉強してるんだぞ、なあ隆司」

「うん、お母さんみたいにおいしくないけどね」
< 14 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop