子供じゃない。
ぼくはあからさまに無視し続けたえりかに声をかけていた。

「久しぶりだね」

最低だと思ったし、自分が卑怯者だと思い知った。

弟には八つ当たり。

えりかには、今までのことなどなかったように幼なじみ面をしている。

だけど………えりかは何も気にしていないように優しく語りかけてくれた。

「お母さんに聞いたけど………おばちゃん大丈夫なの?」って。
< 23 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop