子供じゃない。
5
母は十月の始めに亡くなった。

台風が近付き、一帯を大雨が襲った。

訃報は授業中に聞いた。

先生からの呼び出しで、すぐに事の事態を理解をしていた。

何度も行ったお見舞いで、母の衰弱していく様子が手にとるようにわかったからだ。

父さんが車で迎えにきた。

隆司はもう車に乗っていた。

眼の回りが赤く染まっていた。

泣いたのだろう。

父さんは何て隆司に言ってきかしたのだろうか?
< 37 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop