子供じゃない。
病室のベッドの上の母さんは、ずっと笑顔だった。

母さんは、ぼくに一言だけ、告げた。

「子供じゃないんでしょ」

泣きじゃくるぼくに笑顔を見せて、と。

ぼくは涙をふいて、できるかぎりの笑顔をつくった。

「約束したからね、心配しないで」と、母さんに贈った。
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