子供じゃない。
朝の母さんは笑顔だった。

「ほら、早く起きなさい、朝食にいくわよ」

ちょっと意地悪そうな顔で言った。

早くしないとおいていくわよって、顔で言ってるみたいに。

帰り道。

母さんは沢山のお土産を買った。

「無理、言っちゃたからね、先生と看護婦さんにね」って。

病院につくと母さんは、ぼくに近付き、耳元で言った。

「父さんを助けてね」

「わかってる」

「こどもじゃないもんね」
< 47 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop