幸せ旅
「どうもです。噂通りだね」
噂?私の?
「ごめんね、プリクラとか郁にあげたら…侑士君、奈々に一目惚れなんだって。だから…」
あたふたしてる羅葡に免じてやろう。
「まぁ、私で良ければ…」
「本当に♪ヤッター!!じゃぁ〜これ、俺のケー番とメアドだから…気が向いたらでいいよ」
サッキの大人なイメージとはうって代わりオモチャで遊ぶ子供の用な笑顔だ。
でも、私は……。
「高藤さん、私は男です。それでも良かったらですけど」
いつも目の当たりにしてきた人の顔色。
正体を曝すと手のひら返すように扱いが変わる。
コイツも同じだった。
「男!?本当に?」
郁さんに聞いてる。
「郁話してないのか?」
郁さんは困った顔をしていた。
「だって…」
「だってもクソもねぇよ何、人の親友泣かせるような事すんの?」
「ごめんね羅葡、言い難いじゃん!!」
「郁!話が違うんじゃないか?女じゃないじゃん。気持ち悪い。帰る」
羅葡と雪がキレた。