遠い記憶



「パパ! パパ!」


少女が


父親の手を


掴むと


「どうしたんだい?」


優しい顔で


父親は


振り向きました


「ねえ、見て! あそこ!」


少女が


一生懸命に


指差す


空の奥の方


光が差し込む


雲の割れ目が


父親の目に


映りました



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