先生にキス〈2〉
「…でも、今は和丘がいる。それだけで俺は嬉しいけどな。」
途端にニヤッと意地悪っぽく笑う先生。
「何言ってるんですか!今はお父さんのこと話してるんですよ?」
「仕方ないだろ?急に言いたくなったんだし。」
今の今まで、しんみりとしていた先生はどこに行っちゃったの!?
これじゃあ、いつもの先生と変わりないじゃん。
「もうすぐ始まりますねっ…。」
「……だな。」
そう言うと、私の手の上に先生が手をそっと重ねた。