先生にキス〈2〉

「もしかして…キス…足りない?」



唇に指で触れる私を、ちらっと先生は見る。




「何言ってるんですか!!じゅ…充分です。」



放心状態だった私は、先生の言葉でハッとなり、慌てて答える。



「本当に?」



「嘘なんて、つける余裕がありません…!」



私は、すっかり暗くなった外の景色に視線を向けた。


こんなに長い時間、先生と一緒にいるのも、初めてなんだよね…。




まだ家に着くまで1時間…。


私は…この二人だけの空間で、どう時間を過ごしたらいいんだろう…。




< 221 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop