泣いたら、泣くから。
二章-3
……真由、わたしはいったいどうしたらいいだろうか。
悩むこと自体間違っているとわかっている。
わかってはいるのだ。
……だが。
姪から伝わる強い思いには、痛いほど偽りがない。
わたしはいつしかそう思うようになっていた。
目を見ればわかる。相手が嘘を言っているのか、心の底から語りかけているのかなど。
……わたしには、わかってしまった。
ならばそんな彼女に、いつまでも曖昧なままで接し続けることは、大人として恥ずべき行為ではないだろうか。
駄目なら駄目であるとすっぱり告げて、今までどおりの叔父と姪の関係に戻してあげることが、叔父として出来る最善の方法ではないだろうか。
姪ももう高校生だ。
叔父と自分の立ち位置というものは理解できる歳である。
いとことは違うのだ。
叔父は、恋愛対象として見るべき相手ではない。そう――
見てはいけないのだ。
しかし……――。
そこまで思いついて、いつもここからが詰まってしまう。
断って、そして元に戻れるのかといえば、難しいところだ。
わたしはよくとも、一方的に好意を向けている姪はきっと傷つき、わたしと会うたびに気まずい思いをするだろう。
傷つけば、おのずとそうなる。
そして、その傷はなにかのきっかけがない限り半永久的に尾を引くこととなるだろう。
わたしはそれが怖かった。