泣いたら、泣くから。
医院へ戻ったわたしは自分の席に腰を下ろして杉本君が教えてくれたことを反芻した。
もう三日も休んでる――。
その間、たしかに姪からは一度も連絡が来ていない。
こちらから携帯にかけてもつながらなかった。
おかしい。
わたしは目の前の電話から受話器を取った。
同時に迷うことなく順にボタンを押していく。兄の住まう実家の番号だ。
休んでいるのならまず家にいることは確実だろう。
携帯がつながらないのは療養のため電源を切っているせいだ。
娘がいるのに母親が出かけていることはあるまい。
家には誰かがいるはずだ。
コールが鳴った。
一回、二回、三回。
しかし、四回、五回と続くとさすがに首を傾げる。
まだ受話器は上がらない。
十回目の呼び出し音を聞き終えたところでわたしは受話器を下ろした。
家にもいない……。
胸の奥がざわめきはじめ、途端、いてもたってもいられずわたしは姪の家を尋ねた。チャイムを押す。
だが――。