白いジャージ4 ~先生とlove life~



私のおでこに先生のあごが当たる。


伸びたひげがくすぐったい。



「俺達は何があっても大丈夫」



先生の低い声が私の体に響く。




「少しでも早く日本に帰った方が良い。本人がいないとどうにもできないことがあるらしい。どうする?」



先生の問いかけに、私は静かに頷いた。




「残念だけど、今夜の飛行機で空きがあれば、このまま帰ることにしよう。調べてもらってくるから、ちょっと待ってて」



先生は、部屋を出て行った。




頭の中を整理しよう。



え~っと……



私達が新婚旅行で留守の間に、空巣が家に入って……


財布を盗られた。



犯人は、キャッシュカードを使ってお金をおろそうとしたけど、暗証番号がわからずに、実家に電話をした。


実家の電話番号はどうやって調べたんだろう。

あ、そうか。


お店のポイントカードとかまだ昔の電話番号のままになっているからそれを見たのかな。



警察のふりをして電話をしてきたって言ってたけど、私達が海外にいるってこと、犯人は知ってるのかな。


もし、知っていたら……


また家に来て、家具とか電化製品とか盗まれるかも知れない。


……それとも、もう盗まれてしまってるのかも知れない。



私と先生の大事な愛の巣なのに……

ひどいよ。





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