白いジャージ４ ～先生とlove life～

「直、お待たせ。夜の便にキャンセルが出たらしくてちょうど2人分空いてたから取って来た」




私はまた黙って頷いた。



早く帰らないといけないことはわかっているんだけど、航空券が取れなかったら明日までグアムにいられるのになって思ってしまう。




「元気出せ～！！人生、いろいろあるもんだ。これも、いつか笑い話になるよ」




「先生、家の中ぐちゃぐちゃにされちゃってるのかな。思い出のものも盗まれたのかな。車の鍵も置いてたから車も盗まれてるかも知れない。どうしよう……先生」




興奮する私。


だって、自分にこんなことが起こるなんて思ってもみなかった。



よりによって、人生で1回しかない新婚旅行の最中に。


まだ信じられない。



振り込め詐欺とか、スリとかニュースで聞いていても、身近な問題だと思っていなかった。


自分には起こらないって思っていたんだ。