白いジャージ4 ~先生とlove life~
「直、空き巣に入られたって雰囲気がないな。良かったぁ」
先生は言った。
「この引き出しも元からですか?」
警察官が指差した引き出し。
「は、はい。恥ずかしながら…… 出た時のままです」
先生が、手で髪を触りながら答えて、私は隣で赤面していた。
「部屋の中で変わったところはありますか?」
「特にないです」
先生と警察の人の会話を聞きながら、私は部屋をぐるっと見回した。
「盗られたものは?」
「椅子に鞄を置いていたんで、それがなくなってます。その中に財布や車の鍵が入っていたと思います」
「奥さんは?」
おおおお、奥さん?
こんな緊迫した場面で、喜んでしまう私。
奥さんって言われちゃったぁ。
「普段使っている鞄がなくなってます。その中に、財布と会社の鍵が入ってました」
外から鍵を開けた形跡があったものの、壊れているわけでもなく、部屋の中で他に盗まれたものはなかった。