白いジャージ4 ~先生とlove life~
「あ……まぁ、そうだよな。俺の方がもっと反対される状況だよな」
「そうだよ。先生、生徒に手出したんだもんな。ははは」
「手、出したなんてそんな言い方すんなっ!!俺はもっと健全で、真剣で……なんてな」
反対されて当然だった。
西山の彼女のご両親が反対する理由よりも、もっと多くの理由が俺達にはあったはず。
殴られる覚悟だったし、教育委員会に報告されることも考えた。
俺は恵まれてる。
直の両親のような心の広い人はいないと思う。
俺の子供のことで、直を傷つけて泣かせたことも知っているのに……
直のお父さんとお母さんは、いつも『直が幸せな方向に行くように』考えていた。
世間体とか、親の願いとか……
そんなものを全部捨てて、直が幸せになれるようにと。
なれるかな、俺。
そんな父親に。
理想の親。
俺にもいつか子供ができて、その時に、また直の両親に感謝するんだと思う。
俺と直の子供が女の子だったら……
直のお父さんのような考え方ができるんだろうか。